もえよ！建築維新 〜たぎる地で築くみらい〜

第66回全国大会は、令和6年10月25日に鹿児島で開催します。昭和46年に第14回大会を開催して以来、53年振りの開催となります。
鹿児島と言えば桜島、現在も活発に活動を続けており、噴火は年200回を超えます。鹿児島大会では、桜島も皆様を歓迎してくれるものと思います。

大会のテーマは、「もえよ！建築維新～たぎる地で築くみらい～」としました。

「もえよ！」には、「燃えよ！」「萌えよ！」「集えよ！」の願いを掛けています。
それぞれ、活発に活動する桜島を背景に建築を熱く語る大会にしたい、草木が芽吹くように若い世代が躍動するきっかけにしたい、鹿児島では住民の寄り合いを「もえ」と言うことから全国から多くの建築士に参加して欲しい、の3つです。
150年前の幕末から明治にかけてあらゆるものが急激に変わった頃と同様、現在も大きな変革の中にあります。人口減少や技術革新等を背景に建築を取り巻く状況も変わりつつあります。『建築維新』をテーマに、「建築士が築く未来像とは、何か？」を議論し、若い世代の道標ともなる大会にできたらと考えています。一方、鹿児島では明治の廃仏毀釈により寺院が破壊し尽くされ、現在、寺院建築と呼べるものは残されていません。「建築維新」には、そういった反省も込めています。

式典は、鹿児島市内の繁華街天文館に近い「宝山ホール」をメイン会場に、隣接する鹿児島市中央公民館をサブ会場としています。「宝山ホール」は53年前と同じ会場です。隣接するサブ会場は登録有形文化財に指定されています。セッションの会場も分散しますので、街と一体となった大会というイメージで準備を進めています。

鹿児島県は九州地方の最南部に位置し、東シナ海に面する薩摩半島と太平洋を望む大隅半島、そして南シナ海へと繋がる多くの島々で構成され、温帯から亜熱帯まで南北600kmにわたり、有人島だけでも28の島が連なっています。日本初の国立公園霧島、現在も活発な活動を続ける桜島、悠久の自然が残る屋久島、コーラルと照葉樹林が美しい奄美大島など個性豊かな自然に恵まれています。また、温泉地指宿や秘湯など良質の温泉も多く、鹿児島市内だけでも泉源が280あり、銭湯はほとんどが天然温泉となっています。
変化に富んだ景観だけでなく、昨年和牛オリンピックで日本一に輝いた鹿児島黒牛のほか鹿児島黒豚、黒薩摩鶏、黒酢など黒の食材や、海の幸にも恵まれています。芋焼酎と一緒に食も堪能していただけるように準備してまいります。

全国大会の準備を契機に多くの会員が活動に参加し、「全国から来鹿される皆様に楽しんでいただける大会にしたい。」と頑張っています。
令和6年10月25日には多くの建築士の皆様に南国鹿児島においでいただき、鹿児島の歴史や文化、そして食を楽しんでいただきますようお願いいたします。

公益社団法人 鹿児島県建築士会
会長　西薗 幸弘