Fコース (8時間50分)

日本麓遺産まち歩きと維新の足跡めぐり

薩摩藩英国留学生記念館

時は幕末。アジアの植民地化や薩英戦争によって近代化の必要性を痛感した薩摩藩は、総勢19名の薩摩藩士たちを密航というかたちで英国へ派遣します。1865年4月17日、トーマス・グラバーが手配した洋式機帆船オースタライエン号に乗り込み英国へ旅立ちました。最年長の新納や寺島が32歳、長沢鼎に至っては13歳という若き藩士たちが外の世界を目のあたりにし、やがて近代日本の建設を先導したのです。薩摩藩英国留学生記念館では貴重な資料や映像によって若き志士たちの壮大な旅と生き様をご覧いただけます。

日本麓遺産「串木野麓」

串木野麓は中世の串木野城を中心に広がっていた麓です。現在周辺の開発が進み、麓の面影は断片になってはいますが、串木野城の主要部分は残っています。串木野城は戦国武将として名高い島津豊久が生まれた城でもあり、城周辺には立派な武家住宅など、江戸の景観が凝縮されています。旧入来邸は風格ある武家門や樹齢300年といわれる五葉松とイヌマキが並んでいます。長家の石管水道は、かつて麓の地下1mのところに埋設されていたものです。

焼酎蔵 薩州濵田屋伝兵衛

伝兵衛蔵は、濵田酒造創業の地に建つ蔵として、明治元年以来の伝統の味・技・心と新しい技術へのチャレンジを大切に焼酎づくりに勤しんでいます。仕込みに使う道具や蒸留器、麹室にいたるまでひとつひとつにこだわり、長年培われた技術により、洗練された本格焼酎の原酒が生まれます。伝兵衛蔵の見学コースには、昔の焼酎づくりの道具を集めたミュージアムがございます。皆さまが薩摩の文化・焼酎を楽しみながら親しんでいただけるよう、ご来場を心よりお待ちしております。

薩摩焼 沈壽官窯

焼物は古来から 「時代を映す鏡」 と言われます。慶長3(1598)年初代沈当吉が朝鮮国より薩摩に渡来して以来、400年を超す時の流れの中で生み出された多くの薩摩焼は、さまざまな時代の要請の中でその姿を少しずつ変えて参りました。渡来初期、国焼としての熟成の時代、近代化に伴う技術革新の時代、博覧会の時代、そして戦争の時代。今ひとつひとつの作品とそれらが生きた時代背景とを併せて思い浮かべる時、もの言わぬ作品たちが実に雄弁に語り始めます。日本の南端に咲いた薩摩焼の歴史をご覧ください。

Shopping Basket